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Q&Aソングス その5 He'll Have to Go by Ry Cooder

2009-11-29

曲名
ヒール・ハフ・トゥ・ゴー(He'll Have to Go)
アーティスト
ライ・クーダー(Ry Cooder)
収録アルバム
『チキン・スキン・ミュージック』(Chicken Skin Music)
作曲者
ジョー&オードリー・アリソン(Joe & Audley Allison)
リリース年
1978年


He'll Have to Goシリーズも、ジム・リーヴズのヒット・ヴァージョンビリー・ブラウンのオリジナル・ヴァージョンジーン・ブラックのアンサー・ソング"He'll Have to Stay"ときたので、今日からはいくつかカヴァー・ヴァージョンを見ていきます。

御題ソングとアンサー・ソングの両方にカヴァーがあるのですが、今日は御題ソングのほうのカヴァー、なかでも一頭地を抜くライ・クーダーのHe'll Have to Goです。

YouTubeにはChicken Skin Music収録のスタジオ録音はありませんが、ライヴ・クリップがありました。アレンジ、全体のムードはスタジオ録音に準じています。



ドラムはジム・ケルトナーではないようですが、タイムのいいプレイヤーなので気持ちよく聴けます。スネアのチューニングがとんでもないハイ・ピッチで、デイヴ・クラークかと思ってしまいます!

いつものフル・バンドでのライヴとは異なり、このセットではパーカッションがいないので、ティンバレスの代用にしようという意図で、極端にスネアのピッチをあげたのかもしれません。じっさい、ときおり、ティンバレスと聞き誤ります。

アコーディオンはスタジオ録音と同じフラーコ・ヒメネス、サックスはスティーヴ・ダグラスではないでしょうか。ライ・クーダー盤He'll Have to Goの大きな魅力のひとつは、テックス=メックス風の、サックスとアコーディオンのユニゾンによるオブリガートで、スタジオ録音でも同じようにやっています。


ry cooder

☆ アレンジの異同 ☆

ライ・クーダー盤He'll Have to Goが、ジム・リーヴズを筆頭とする旧来のヴァージョン群と決定的に異なっているのは、ワルツ・タイムを4/4に変更したことです。

ワルツから4/4というのはきわめて大きな変更で、しばしば楽曲の印象ががらりと変わります。ジム・リーヴズ盤とライ・クーダー盤のHe'll Have to Goの場合も、大きく手ざわりが異なっています。

ワルツ・タイムというのは、スロウ・テンポが主流だった50年代の流行でした。60年代はワルツの時代ではないのです。1960年だったか、ヘンリー・マンシーニの依頼で『ティファニーで朝食を』のテーマ・ソングに歌詞をつけたジョニー・マーサーは、曲を聴いたあとで、ヘンリー・マンシーニにこういうことをいったそうです。すでにSongs for 4 Seasonsブログに書いた記事をそのままペースとします。

「ハンク、これからの時代、いったいだれがワルツなんかレコーディングするっていうんだ。とにかく、映画のために曲を書こう。でも、そのあとは、商業的にこの曲に未来はないね」(ヘンリー・マンシーニの自伝、Did They Mention the Music?より)

ジョニー・マーサーに「未来はない」といわれた曲は、もちろんMoon Riverです! この曲についてはマーサーの分析は見事に外れましたが、統計誤差、例外というべきで、分析それ自体がまちがっていたわけではありません。彼がいうとおり、大勢としては、ワルツ・タイムはヒット・チャートに登場しなくなっていきました。

ry cooder get rhythm ep

わたしの印象では、盤を聴きながらギターを弾いていて、なんだかむやみにワルツばかりやらされるな、と思ったのは、69年、70年ぐらいに、カントリー・ミュージックがロックンロールと合体したタイプのサウンドが生まれてからです。バーズのSweetheart of the Rodeoなんか、ワルツばかりだったような印象があります。カントリーはどんな時代でもワルツとの親和性の強い音楽ジャンルですから。

ライ・クーダー盤He'll Have to Goは、こういうトレンドのなかで4/4にアレンジされ、また、そのせいで強く印象に残ったのだと思います。自分で歌おうとすると、ジム・リーヴズ盤をベースにしてワルツでやるより、ライ・クーダー盤をベースにしたほうがずっとやりやすいし、気分よく歌えます。このあたりが育った時代の環境によって感性が異なる部分なのでしょう。

8ビートの全盛時、ワルツが顧みられなかった時代に音楽的に成長した子どものなれの果てとしては、He'll Have to Goのベスト・ヴァージョンは、4/4への大転換を試み、みごとに成功したライ・クーダー・ヴァージョンなのです。

あと2回ほどHe'll Have to Goの他のカヴァーを見るつもりです。



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