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Q&Aソングス その3のB King of the Roadのカヴァー

2009-11-11

曲名
キング・オヴ・ザ・ロード(King of the Road)
アーティスト
ビリー・ストレンジ(Billy Strange)
収録アルバム
『キング・オヴ・ザ・ロード――ビリー・ストレンジ・プレイズ・ロジャー・ミラー』(King of the Road: Billy Strange Plays Roger Miller)
作曲者
ロジャー・ミラー(Roger Miller)
リリース年
196?年


前回、King of the Roadには数種のカヴァーがあると書いたので、今日は「アンサー・ソング」の文脈から離れて、King of the Roadのカヴァーを聴きます。ほとんどがインストゥルメンタルで、ヴォーカルものは一種のみです。


☆ ビリー・ストレンジ ☆


ビリー・ストレンジはその名もKing of the Road: Billy Strange Plays Roger Miller Hits!というアルバムで、この曲をカヴァーしています。Add More MusicでLPリップのMP3を聴けるので、ご興味のある方はあちらにいらしてみてください。

King of the Road: Billy Strange Plays Roger Miller Hits!

このレヴューでキムラさんがお書きになっているように、このアルバムは基本的にはアコースティック12弦によるギターインストですが、ときには歌ってみたり(ディズニーのテレビ・アニメで主題歌をうたったくらいの人なので、なかなか美声だし、うまい)、さらにうれしいことに、フェンダーを入れてみたりで、変化をつけています。

King of the Roadは、アコースティック12弦でスタートし、途中からフェンダーに持ち替えます。どちらのプレイも魅力的で、曰く言い難し。

lee, billy, nancy

lee, billy, nancy
ナンシー・シナトラとそのスタッフ、リー・ヘイズルウッドとビリー・ストレンジのナウ&ゼン。

アコースティック12弦というのはじつに「痛い楽器」で、そういうもので何枚もアルバムを出すとはすごいものだ、とビリー・ストレンジ親分に申し上げたことがあります。「12弦ギターのブームが終わったときはホッとした。いまでは一本残してあるだけで、もう家に置いてもいない。指もやわらかくなってしまったので、もう弾けないだろう」とおっしゃっていました。ビリー・ストレンジ御大ほどの手練れでも、やはり12弦ギターというのはつらい楽器なのだとわかって、こちらもなんだかホッとしました。

ドラムはハル・ブレインなのははっきりわかりますが、スタンダップ・ベースはだれでしょうか。なかなかけっこうなグルーヴです。

☆ グレン・キャンベル ☆


ビリー・ストレンジと同じく、ハリウッドのスタジオでセッション・プレイヤーをしていたグレン・キャンベルも、King of the Roadをギター・インストとして盤にしています。このアルバムもまた、Add More MusicでLPリップを聴けます。

The Big Bad Rock Guitar Of GLEN CAMPBELL(LPリップ)

1960年代のハリウッドのスタジオでは、一握りのプレイヤーたちがリズム・セクションを構成し、無数のセッションをこなしていました。そのプレイヤーたちのソロ・アルバムを並べたのだから、当然の結果なのですが、グレン・キャンベルのKing of the Roadは、ビリー・ストレンジのKing of the Roadと同じようなメンバーで録音されています。

glen campbell

なんといっても、The Big Bad Rock Guitar Of GLEN CAMPBELLのアレンジャーは、ほかならぬビリー・ストレンジその人なので、サウンド的に近いものになります。そのうえ、両方ともドラムはハル・ブレインなのだから、むしろ、似ないようにするのが大変だったでしょう。

しかし、タイトルにRock Guitarとあるわけで、グレン・キャンベルのほうは終始一貫、エレクトリックでのプレイで、長いインプロヴを聴くことができます。ハル・ブレインもこちらのほうが暴れています。

このアルバムでは、アレンジャーのビリー・ストレンジ御大が、みずからフェンダーをもってセカンド・リードを弾いた曲があります。King of the Roadも、右チャンネルのエレクトリックはそうなのかもしれません。


☆ バーバンク・フィルハーモニック ☆


バーバンク・フィルハーモニックなどというバンドをご存知の方はまずいないでしょう。おそらく一枚しか盤を残さなかったプロジェクトで、スナッフ・ギャレットの会社が企画したものです(プロデューサーはギャレットではなく、ワイルダー兄弟とクレジットされている)。

現代(60年代後半)の曲を、大昔のバー・バンドのスタイルでやってみようというアイディアなのでしょう。4ビートとマーチの中間のような、よくいえばニューオーリンズ的なサウンドを聴けます。

burbank philharmonic

意図したわけではないのですが、たまたまこのアルバムのドラマーもハル・ブレインです。スナッフ・ギャレットのプロジェクトだから、イヤでもそうなってしまうのです。また、ジャケット・デザインはディーン・トーレンスのキティーホーク・グラフィックスです(出来は「うーん」だが!)。

ほかのトラックでは、楽曲とサウンドの衝突ぶりに思わず笑ってしまったりしますが、この曲は良くもなく悪くもない出来です。


☆ ジェリー・マリガン ☆


いくぶん不似合いに感じるのですが、なぜかジェリー・マリガンもこの曲をカヴァーしています。If You Can't Beat 'Em, Join 'Em、奴らを打ち負かせないなら、仲間になっちゃおう、というタイトルのアルバムで、King Of The Road、Engine, Engine No.9、Hush, Hush Sweet Charlotte、I Know A Place、Can't Buy Me Love、A Hard Day's Night、If I Fell、Downtown、Mr. Tambourine Manといったポップ/ロック系の曲をカヴァーしています。

メンバーとしては、ハル・ブレインがやや場違いに感じられるだけで、スタンダップ・ベースのジミー・ボンドとピアノのピート・ジョリーは、ポップ・セッションで活躍していたものの、ジャズ・プロパーのプレイヤーという意識は失っていなかったでしょう。したがって、ストレートなジャズ・フィールでプレイしています。

gerry mulliga, hal blaine, jimmy bond, pete jolly
左からジェリー・マリガン、ハル・ブレイン、ジミー・ボンド、ピート・ジョリー

ハル・ブレインもビッグバンドにルーツのあるプレイヤーなので、タイムがジャズ的にルースではなく、きっちりやっていることをのぞけば、とくにロック寄りのプレイはしていません。

いま聴けば、楽曲はべつとして、サウンドとしては保守的な音です。この時代には、ジャズ・プレイヤーがこういう楽曲を取り上げるのは、物議を醸したかもしれませんが。せっかくハル・ブレインがいるのだから、思いきってサウンドもjoin'emすれば、後年、ターニング・ポイントとなったアルバムといった評価が得られたかもしれず、惜しいことをしたと思います。ハル・ブレイン・ファンとしては、彼の4ビートのプレイを確認し、8ビートのときほどすごくない、借りてきた猫みたいだ、という洞察を得られるので、それなりに収穫のあるアルバムですけれどね。



ジェリー・マリガン If You Can't Beat 'Em, Join 'Em
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☆ ディーン・マーティン ☆


どん尻に控えしは、わが家にある唯一の歌ものKing of the Roadカヴァー、ディーン・マーティン盤です。

またハル・ブレインかって? たぶん、そうでしょう。クレジットはないし、ブラシなのでプレイからの判断も困難ですが、状況から、ハルだろうと推測できます。どういう状況か?

1964年、ディーン・マーティンは、まだリプリーズに入社して間もない若いプロデューサー、ジミー・ボーウェンのプロデュースで、彼の「手駒」といえるアーニー・フリーマンのアレンジ、ハル・ブレインの力強いドラミングによって、Everybody Loves Somebodyのナンバーワン・ヒットを得ます。この一曲で、スターの座を滑り落ちかけていたディノは一挙に頽勢を挽回し、以前にも増してビッグネームになります。


スタジオ録音ではありませんが、テレビのディーン・マーティン・ショウで、ディノとロジャー・ミラーがいっしょにKing of the Roadを歌ったクリップがありました。それにしても、よく子猫たちがおとなしくしていたものです。精神安定剤でも飲まされた?

こういうとき、フォーマットは変えないのが常識です。じっさい、このあとのディノの録音を追うと、そこらじゅうでハル・ブレインのタムタムが聞こえます。King of the Roadは1965年のアルバム、Remenber Meに収録されました。このアルバムのプロデューサーはいつものようにジミー・ボーウェン、アレンジャーもいつものようにアーニー・フリーマン、ドラムだけがハル・ブレインではないと推測する根拠はありません。

ということで、完璧に証明できたとはいいませんが、今回のKing of the Roadカヴァー集は、不思議なことにすべてハル・ブレインのドラミングだったというのがサゲです。あ、ディノの歌はいつ聴いても楽しいですよ。この曲も彼に向いています。

ディーン・マーティン Everybody Loves Somebody: Reprise Years

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