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Q&Aソングス その1 Runaround Sueとアンサー・ソング

2009-11-05

曲名
ラナラウンド・スー(Runaround Sue)
アーティスト
ディオン(Dion)
収録アルバム
『ラナラウンド・スー』(Runaround Sue)
作曲者
Dion di Mucci and Ernie Maresca
リリース年
1961年


River Deep Mountain Highですっかり嫌気がさし、その気で眺めると、エリー・グリニッチのカタログに残ったもので、これはぜひ取り上げておきたいというものはもうありませんでした。Chapel of Love、Then I Kissed Him/Her、Leader of the Pack、というように、大ヒット曲や有名曲があるのですが、みな趣味ではありません。

ヒットしなかったものなら、多少は取り上げてみたい曲もありますが、是が非でもというほど好きなわけではなく、Chapel of Loveにくらべたら、たいていの曲はすぐれたものに聞こえるというにすぎないので、とりあえず、終結を宣言しないまま、エリー・グリニッチ特集は「無期限休養」とします。

☆ まずはオリジナルの「御題ソング」 ☆


それでなにをするかといえば、これまたワンショットで終わらず、いずれ飽きるのが目に見えているのですが、万能解答――The Answer to Everythingという記事でやったQ&Aに決着をつけようと思います。

このThe Answer to Everythingというアルバムの曲順にしたがってやっていきます。ただし、しまらない話ですが、冒頭のJust Tell Him Jane Said Helloの元歌というのが、聴いてもわからないのです。ウェブで検索するとヒットするので、それを読めば答えがわかりそうですが、それはいつでもできるので、もうすこし聴いて、なにか思いつかないか様子を見ることにします。

そういう事情で、2曲目のI'm No Run Aroundから取りかかります。これは音を聴かずに、タイトルだけから推測した最初の「回答」で、ディオンのRunaround Sueに対するアンサーだろうとしましたが、それで正解でした。

それでは、tonieさん名づけるところの「クエスチョン・ソング」、わたし名づけるところの「御題ソング」すなわち元歌であるディオンのRunaround Sueからどうぞ。この時期の音楽に親しんでいらっしゃる方なら、ふつうはご存知という、1961年のビルボード・チャート・トッパーです。

Dion - Runaround sue


音に変化はないので、ディオン&ザ・ベルモンツ時代の曲と、ディオンのソロとがゴチャゴチャになってしまうのですが、これはディオン単独で、ベルモンツは無関係です。だから、このクリップの表示も誤り。この曲のスタジオ録音でハーモニーをつけたのはデル・サテンズだったと、The Billboard Book of Number One Hitsはいっています。

音楽のQ&Aカップリングでは、歌詞の比重が高くなるので、念のためにタイトルの意味を確認します。run aroundという言い回しには、以下のような意味があります。

《口》 《恋人を次々に変えるなどして》 遊びまわる; 《口》 つきあう, 〈妻[夫]以外の女[男]と〉関係する 〈with〉; _〈人を〉車で方々連れまわす; _次々にごまかす, たらい回しにする.

こういう相手に恋した男の嘆きの歌がRunaround Sueで、60年代中期から聴きはじめたわたしのような人間は、ミッキー・モストの依頼でフィル・スローンが書いた、ハーマンズ・ハーミッツのA Must to Avoid(「あの娘にご用心」)を思いだします。ゾンビーズのTell Her Noも同系統といえるでしょう。

Runaround Sue
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☆ つづいて模範解答 ☆


さて、アンサー・ソングのほうはどうなっているかというと……。

Ginger Davis and The Snaps - I'm No Run Around (1961)


ディオンの元歌の歌詞は、なあ、みんな、きいてくれよ、俺はあの女のおかげでひどい目にあった、経験者として忠告するけれど、ああいう尻軽女だけはやめたほうがいいぜ、という、第三者に語ってきかせる形式になっています。

アンサー・ソングのほうもこの形式を踏襲して、ねえねえ、きいてよ、あいつ、あたしのことを遊びちゃんとかいいふらしてるけど、みんなウソなんだから、あたしは尻軽なんかじゃないもん、という歌詞(のよう)です。ワードがむやみに詰め込まれているし、ヴォーカルはオフ気味だし、ディクションはよくないしで、はっきりとはわかりませんが!

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☆ 人生の答はひとつではない――というほどのことでもないが ☆


さて、キムラさんがコメントでご指摘のとおり、Runaround Sueのアンサー・ソングは、呆れたことに、まだほかに二曲も既知のものがあり、未確認のものも含めると、膨大な数になるようです(ならない、ならない!)。

Danny Jordan - Runaround Sue's Getting Married


こちらは、スーが尻軽だったことを否定する歌詞ではなく、彼女も結婚して落ち着いた、もうrunaroundではないといっています。

これはべつの曲も下敷きにしていると想像できます。続篇で「いまでは彼女も結婚した」という歌となると、多くの人が、Peggy Sueの続篇であるバディー・ホリーのPeggy Sue Got Marriedを思い浮かべるでしょう。

さらにさかのぼると、ハンク・バラード&ザ・ミッドナイターズの、Work with Me Annieにはじまる「アニー」シリーズも、ソングライターの脳裏をかすめたかもしれません。もっとも、あちらはタイトルに「結婚」がつくものはなく、放送禁止になったオリジナルのつぎは、いきなりAnnie's Got a Babyで赤ん坊が生まれていましたが!

Linda Laurie - Stay At Home Sue (Runaround Sue)


残る一曲のアンサー・ソングは、またまた歌詞がよく聴き取れません。Dionのあとでなにをいっているのかわかるといいのですが! Dion goes out with other girlでしょうかねえ。ゴニョゴニョにしか聞こえません。察するに、この曲はシテュエーションをひっくり返し、runaroundなのは男のほう、スーのほうはstay at homeだから、おとなしく家にいるという設定なのでしょう。それにしても、どの曲も歌詞が聴き取りにくいのは、どういうんでしょうな!


☆ カヴァーはどこだ? ☆


これだけアンサー・ソングがあるのに、検索してみて、わが家のHDDに収めた11万曲のなかにはRunaround Sueのカヴァーがないことがわかり、ビックリしました。カヴァーのないビルボード・チャート・トッパーなんて考えられません。

ではというので、ウェブで検索したら、デル・シャノンのカヴァーがあることがわかりました。でも、ほかには見あたらず、カヴァーよりアンサー・ソングのほうが多いという、世にもめずらしい例なのかもしれません。ホントかなあ?

Del Shannon - Runaround Sue


こうやって並べてくると、さすがにデル・シャノンはちゃんと歌っているなあ、と思います。このアンサー・ソング女性シンガー陣のなかには、あまり感心できる人はいませんでした。

そもそも、改めてこう並べてディオンのオリジナルを聴くと、これが意外にむずかしい曲で、じつはディオンが非常にうまく歌っていることがよくわかりました。冒頭のナンセンス・シラブルの歌いまわしも、とくに後半は文句なしですし、ヴァースに入ってからの早口言葉じみた歌詞の伸ばし方切り方もみごとで、ヴォーカルでグッド・グルーヴをつくっていることに気づかされます。

もうひとついえば、ドラミングもけっこう。ドラマーが楽しんで叩けるタイプの曲です。バックコーラスの妙ちきりんナンセンス・シラブル(ワンデヘレヘレヘイヘイ?)、ディオンのヴォーカル・レンディション、ドラムの押しまくりグルーヴ、この三位一体エンジンで、チャートを駆け上がったのだな、ということがよくわかりました。

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記事をアップしかけたところで、リーフ・ギャレットのカヴァーがあることに気づきました。



なんかイージーですなあ。いまになると、ストリング・シンセの音が安っぽいし。それでも13位までいったのだから、よくわかりません。

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テーマ : 60年代の輪郭(音楽)
ジャンル : 音楽

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浮気なスー

色々調べてみたところレイシー(トニー・バジルの「ミッキー」の原曲を歌っていたグループ)のカバーがそれなりにヒットしてますね(80年UK13位)。他にチャートインした例としてダグ・シェルドンというアーティストも挙がっていましたがこちらは確認出来ませんでした。

Re: 浮気なスー

調べものをしていただきたありがとうございました。

> 色々調べてみたところレイシー(トニー・バジルの「ミッキー」の原曲を
> 歌っていたグループ)のカバーがそれなりにヒットしてますね(80年UK13
> 位)。他にチャートインした例としてダグ・シェルドンというアーティス
> トも挙がっていましたがこちらは確認出来ませんでした。

なるほど。記事に疎漏があったのかと思いましたが、そうではなかったので胸をなで下ろしました。わたしの守備範囲はエルヴィス以後20年間のアメリカ、とくにハリウッド録音です。イギリスは専門外(60年代のイギリスは多少聴く)、また、時代的にも、1954年以前に遡ることはあっても、80年代以後に下ることはめったにありません。早い話が、ディスコ以降、ラジオのスウィッチを入れなくなったので、あまり聴いたことがないのです。じっさい、ここに並べられた四種の固有名詞は、どれもわたしの知識にはありませんでした。時間的にも、空間的にも、わたしのリーチ外です。

当家では「昔のものばかり」という看板を掲げておりまして、音楽の面では漠然と70年代中期までを対象にしています。そう考えて安心していたのですが、当家のような場所にも、80年代を「十分に古い」と考える方がおいでになるのかもしれません。だとしたら申し訳ないとは思うのですが、こればかりはいかんともしがたく、あくまでも「いい時代」のみに対象を絞らせていただいております。わたしにとって80年代は、those bad, bad old daysでしかありません。

浮気なスー訂正

私も主に聴くのは60~70年代の洋楽なので80年代の音楽は比較的新しい部類に入ります。ニルヴァーナ(US)あたりを最近のアーティストと言って笑われる事もしばしばです。さて、ダグ・シェルダンについて詳しく調べましたところ、60年代初めにイギリスで活動していた歌手・兼・俳優だという事が判りました。「浮気なスー」(61年UK32位)以外特にヒット曲は見当たらないですね。

Runaround Sueもアンサーソング!?

大好きなディオンが出ているのにコメント遅くなりました。
「疋田豊治-ガラス乾板写真展」を見に行ったりしていました。
(というのはコメントするサイトが違いますね!)

曲調など全く似ているところがないのですが、
お題ソングとしてVictor Young の「Sweet Sue (Just You) 」
(The Mills BrothersやBing Crosbyの歌)があって、
アンサーソング、あるいはカウンターカルチャーとして
「Runaround Sue」が機能したという案はいかがでしょうか?
そうだとしたら、アンサーがお題で、お題がアンサーで…、
中田ダイマル・ラケット並みの「家族混線曲」なみの「混線」に
なります。

Re: Runaround Sueもアンサーソング!?

これはまた無理矢理なつなげ方をしましたねえ! なぜかヴィクター・ヤングのSweet Sueはわが家になくて、それを埋め合わせるように、ヘンリー・マンシーニ、ジャッキー・グリーソン、ミルズ・ブラザーズ、バーニー・ケッセル、ジャンゴ・ラインハルト、マイルズ・デイヴィス、ローレンス・ウェルクなど、無量大数のヴァージョンがあります。バーニー・ケッセル盤はなかなかシブくてけっこうな出来です。ローレンス・ウェルクもちょいよし。

あちこちに散らばった「スー」の歌をつなげて、〈アニー〉シリーズのようにひとつの話にしたら、波瀾万丈の「女の一生」になるでしょうなあ。

落語でそういうのもいけるのではないかと考えたことがあります。「もと犬」の犬がのちに大家の養子になり、吉原に沈没して勘当、「船徳」になって、しまいには江戸を売り、上方ですごして戻ってきて「大仏餅」になるとか、ね。あるいは、「阿武松」を「花筏」につなげ、最後は「千早振る」になる、ある相撲取りの一生とか。こういう馬鹿馬鹿しいことを考えていると、日が暮れちゃいます。

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