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エリー・グリニッチ追悼 その10 トミー・ジェイムズ&ザ・ションデルズ“ハンキー・パンキー”(Hanky Panky by Tommy James & the Shondells)

2009-10-07

曲名
ハンキー・パンキー(Hanky Panky)
アーティスト
トミー・ジェイムズ&ザ・ションデルズ(Tommy James & the Shondells)
収録アルバム
ハンキー・パンキー(Hanky Panky)
作曲者
ジェフ・バリー、エリー・グリニッチ(Jeff Barry, Ellie Greenich)
リリース年
1966年

最近はラジオを聴かないので、そういう感覚を忘れてしまいましたが、昔はAmerican Top 40などを聴いていて、この曲は聴きたくないな、なんてことをしじゅう思っていました。ケイシー・ケイサムの番組は2時間でしたが、半分はムダだったように思います。

たとえば今日の曲、トミー・ジェイムズ&ザ・ションデルズのHanky Pankyなんかが典型で、3回も聴いたら飽きてしまいました。そういうのにかぎって大ヒットし、2カ月も3カ月もチャートに居座ったりするわけで、ラジオを聴くのも楽ではありませんでした。

shondells hanky panky lp front

以前にも書きましたが、こういう曲はダンス・パーティーには必要なので、臨時のバンドでやったりはしましたが、聴いても歌っても、いい曲だなどとはチラとも思いませんでした。あくまでも「楽な曲」「すぐやれる曲」でした。

しかし、ビルボード・チャート・トッパーではありますし、カヴァーも多いのだから、どこか人に好かれるところがあるのでしょう。よって、無視はしないというだけの意味で取り上げることにしました。いいのやら、わるいのやら、判断しかねるものが多いのですが……。


☆ トミー・ジェイムズ&ザ・ションデルズ盤 ☆


当時は「なんなの、この曲は?」と思いました。いまもって、よくわかりません。ションデルズというと、同じ系統ならMony Monyのほうがずっと好きですし、別系統なら、チープ・サイケの代表作、Crimson and CloverやCrystal Blue Pesuasionが面白く感じられましたし、いまでもこのへんの曲は聴きますが、Hanky Pankyは聴きません。

Hanky Panky


Mony Mony

こちらのほうがいまでもずっと好き。

トミージェイムズは、曲をちゃんと覚えていなかったために、半分は自分でつくったといっていますが、そのへんのところは、後述のレインドロップス盤の項で検討します。


Anthology
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☆ ヴェンチャーズ盤 ☆


アルバムWild Thing収録。アルバム自体の出来もよくありませんが、このトラックも、なんだかなあ、という仕上がり。このときのリードはだれか知りませんが、タイムが悪くて、あちこちで突っ込んでいます。バックのグルーヴも懐が浅く、まるでツアー用ヴェンチャーズを聴いているような気がしてきます。これを聴くと、ションデルズ盤がいいグルーヴのように思えてきちゃいますよ。がんばれヴェンチャーズ、高校生に負けてどうする!


Wild Things!/Fabulous Ventures
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廃盤になったようで、とんでもない値段がついています。稀少価値ついては、勝手にしろ、ですが、音そのものの価値は18円ぐらいでしょう。

☆ ジャガーズ盤 ☆


意外な拾いもの。今回聴きくらべたもののなかでは、もっともいい出来です。えーと、リード・ヴォーカルはなんという人でしたっけ、岡本という苗字だけはでてくるのですが、あとが……。どうであれ、ヴォーカルが健闘していますし、バックも(まあ、スタジオ・プレイヤーでしょうが)ヴェンチャーズよりずっといいプレイをしています。


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☆ サミッツ盤+ジェフ・バリーのコメント ☆


大昔に買った、ローリー・レコードのガール・グループ・オムニバスに入っていただけで、検索で拾うまでは、もっていることすら知りませんでした!

00dream girls

調べてみると、これがこの曲のオリジナルだそうです。ションデルズ盤より古いとは思いましたが、最古とはね。しかも、He's an Angelという曲のB面です。

The Billboard Book of Number One Hitsのなかで、ジェフ・バリーはHanky Pankyについてこうコメントしています。

"As far as I was concerned it was a terrible song. In my mind it wasn't written to be a song, just a B-side. I was kind of ashamed of it when it first came out, but then I found out what a big hit it was and maybe it has something that I just did't see."

「歌として書いたつもりはない、ただのB面だ」というコメントもすごいですね。B面は歌ではなかったのか! まあ、たしかに、そういう考え方もあるとは思いますし、事実、「歌」になっていないB面はたくさんありますが、それにしても、ソングライター自身にそういわれると、言葉に詰まります。

billboeard book of number one hits

最初にリリースされたときは気恥ずかしかった、というのも、アッハッハです。で、最後に、「爆発的にヒットしたのだから、わたしには理解できないなにかがあの曲にはあるのだろう」とくるわけで、こんなに不可解なヒットはないということを、作者自身も認めてるんだから、すごいものです。チャートには魔物が棲んでいますな。

さて、サミッツ盤ですが、どうでしょうねえ。サミッツ盤Hanky Pankyが収録されているローリー・レコードのガール・ポップを集めたDream Girls: Gems of Girl Group Soundという大昔の盤には、この曲のA面だったHe's an Angelも入っているのですが、どっちがA面でもいいような出来です。いや、正確にいうと、どっちがB面でもいい、ですな。どっちもつまらないトラックです。

こんなつまらない曲に着目した高校生のトミー・ジェイムズは天才かもしれない、といいたくなりますが、アマチュア・バンドとして、やりやすい曲をレパートリーにしたにすぎないでしょう。


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わたしが買ったローリー・レコードのガール・グループ・オムニバスは20年ぐらい前のもので、当然、もう存在しない。いまはこういうものがあり、Hanky Pankyも収録されている。

☆ レインドロップス盤 ☆


どうもはっきりしないのですが、最初にリリースされたのはサミッツ盤であることはいいとして、「最初に録音された」のは、エリー・グリニッチとジェフ・バリーのコーラス・グループ、レインドロップス盤のほうかもしれません。

上述のサミッツ盤を聴いても、ションデルズ盤とはずいぶんちがうと感じますが、レインドロップス盤になると、この相違はより顕著になり、トミー・ジェイムズの細工は意味があったかもしれないと感じます。

サミッツ盤はまだしもリリース盤のムードをもっていますが、レインドロップス盤はじつにもって呆れるほどひどい出来です。ポール・マッカートニーが、B面のテキトーな曲への愛を繰り返し語っていますが、この曲もそのサンプルになるだろうというくらい、投げやりでいい加減でどうでもいいプロダクションです。つまり、ビートルズでいえばYou Know My Nameのノリ。フィル・スペクターでいえばTedesco and Pitmanのような、だれも聴かないように意図的につくってあるB面曲です(DJが勝手にAB面をひっくり返すのを嫌った)。
raindrops

しかし、ポールに折伏されたわけではないのですが、ここまでひどいと、そのひどさが魅力に転換しなくもないと感じます。変なものですね。いびつな茶碗が面白いというのとはちょっとちがうかもしれませんが、とにかく退屈だけはしません!

サミッツとレインドロップスのヴァージョンを聴いて、トミー・ジェイムズがつくった部分がよくわかりました。I saw her walkin' on down the line以下の中間部は、バリー=グリニッチ作ではないのでしょう。ションデルズ盤ではじめて登場し、以後のヴァージョンに受け継がれます。

ここまで大きく改作したら、トミー・ジェイムズは共作者としてクレジットの一部を得る権利をたっぷりもっていると思いますが、わが家にある盤のクレジットには、トミー・ジェイムズの名前はありません。この業界の人間にはめずらしく、欲の皮が突っ張っていなかったのでしょう。

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☆ モージョ・メンとフレディー・キャノン ☆


たいしたものではないのですが、ほかにモージョ・メン(Sit Down I Think I Love You)とフレディー・キャノン(Parisades Park)のヴァージョンもあります。

なんだか、もう疲れてしまって、九回生まれ変わっても、もうこの曲は聴かなくてよろしいという気分になりましたが、どちらもヴェンチャーズ盤よりはいい出来だと思います。フレディー・キャノン盤は最近のもので、ちょっとヘヴィーメタル風のアレンジです。いたっておとなしいヘビメタで、これはこれで悪くないと感じます。いえ、もっているからそういうのであって、いまから買うかといったら、買わないでしょうけれど!

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