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エリー・グリニッチ追悼 その7 バタフライズ“グッドナイト・ベイビー”(Goodnight Baby by the Butterflys)

2009-09-26

曲名
“グッドナイト・ベイビー”(Goodnight Baby)
アーティスト
バタフライズ(The Butterfrys)
収録アルバム
『レッド・バード・ストーリー』(The Red Bird Story)
作曲者
ジェフ・バリー、エリー・グリニッチ、スティーヴ・ヴェネー(Jeff Barry, Ellie Greenich, Steve Venet)
リリース年
1964年


本日のエリー・グリニッチの曲はまたしても大ヒットではないGoodnight Babyです。いちおうHot 100には入り、Top 40には届かなかった(51位)というポジションなので、マイナー・ヒットではあります。

音質はよくありませんが、YouTubeのクリップからどうぞ。



もうすこし音質のいいサンプルを、

エリー・グリニッチとレス・ポールのサンプル

で聴くことができます。

何度かふれましたが、ジェフ・バリーとエリー・グリニッチのチームは、シンプルな循環コードのパターンを組み合わせて曲を書きました。一見、楽そうに見えますが、ここまでパターンにこだわると、かえって苦行ではないかと思うほどです。

Goodnight Babyも典型的なパターンです。聴くだけですぐにどういうパターンかおわかりになった方も多いでしょう。ヴァースはメイジャーで、G-C-G-C-G-C-G-C-C-F-C-F-G-C-G-C-D-C-G-C-Dと4種のコードの単純な組み合わせです。まるでDNAのように、シンプルでありながら深遠ですなあ。

1964 BMI Pop Awards Artie Ripp - Phil Spector - Ellie Greenwich and Jerry Leiber (back row) Jeff Barry - Paul Case
前列左からアーティー・リップ、フィル・スペクター、エリー・グリニッチ、ジェリー・リーバー、後列左からジェフ・バリー、ポール・ケイス、エド・シルヴァーズ


ヴァースがメイジャーなら、コーラスやブリッジではマイナーを使うのが常識で、バリー=グリニッチも、ほとんど陳腐といっていいパターンをあてはめています。G-Bm-C-Dというウェイト・パターン(とわたしは呼んでいる。ザ・バンドのThe Weightのコード進行)です。

コードのパターンというのはクリシェであり、クリシェを集めて曲を書くぐらいのことは素人でもできます。でも、そういうコード進行から魅力的な曲、つまり、ヒットする曲を書くのは、まったくべつのことで、これはやはりたいした才能だと思います(そういう意味でバート・バーンズというのは偉大な作曲家だ。3コード・パターンだけで、よくまあ、あれほど多くのヒット曲を生んだものだ!)。

なお、エリー・グリニッチのオフィシャル・サイトのディスコグラフィーには、この曲を歌ったアーティストとして、ブレントン・ウッドの名前があがっていますが、ウッドが歌ったGoodnight Babyは同題異曲で、作者も異なります。



しかし、わからないのは、やはり同題異曲である、イマジネーションズのGoodnight Babyまで、エリーのオフィシャル・サイトでもリストアップしているし、allmusicでもバリー=グリニッチ=ヴェネー作になっていることです。三人(ヴェネーは書いたのではなく、権利として分け前を得ただけのように思える)が、同じ題の異なる曲を三年の時間をおいて書いたというのでしょうか。あまりありそうには思えません。なにかのミスで、作者不詳の曲がバリー=グリニッチ=ヴェネー作と「されてしまった」だけではないでしょうか。



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☆ サーチャーズ盤 ☆


またまたサーチャーズのカヴァーがあります。ガール・グループの曲をあれこれカヴァーしていたために、偶然そういう結果になっただけなのか、バリー=グリニッチの曲がとくに好きだったのか、そのへんはわかりませんが、ソングブックを編集できそうなほどカヴァーしています。

さりながら、正直なところ、出来がいいと感じるのは“エヴリバディー・カム・クラップ・ユア・ハンズ”(Everybody Come Clap Your Hands)だけと云っていいほどです。良くも悪くも、つねにあっさりしたレンディションなので、あまりよくないといっても、腹が立つほどひどいわけではないのですが……。

ひとつだけ好きなところがあります。間奏といえるほど長いものではなく、一瞬だけ12弦ギターのリックが聞こえますが、これがやはりいいサウンドなのです。

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☆ エリー・グリニッチのセルフ・カヴァー ☆


エリー・グリニッチの70年代のアルバム、『レット・イット・ビー・リトゥン、レット・イット・ビー・サング』(Let It Be Written, Let It Be Sung...)は、どのドラマーもそろって嫌いなタイプで、リズム面はまったくいただけません。そのうえ、アレンジも、いまになると時代に媚びた分だけ古めかしくなっていて、どうも好きになれません。

そのなかで唯一、聴けなくはないのが、Goodnight Baby/Baby I Love Youのメドレーです。ドラムはタイムはまずまずなものの、どのフィルインも不適切なものを不適切な場面で使っているうえ、無意味にビートを強くしたりする、イントネーションのコントロールが不得手なプレイヤーで、聴くにたえませんが、ヴォーカル・アレンジなどは容認できるレベルの仕上がりです。もちろん、バタフライズのキュートなレンディションには敵うべくもありませんが。

Composes, Produces & Sings/Let It Be Written, Let It Be Sung

Composes, Produces & Sings/Let It Be Written, Let It Be Sung

同じ曲を何度も聴いていると、だんだん歌詞が気になってくるし、また、意味が頭に入ってきます。このGoodnight Babyで気になった部分は、ファースト・ヴァースです。お母さんに約束したでしょ、もう帰らなくちゃ、おやすみなさい、っていうんだから、驚きます。

昔はアメリカですら、ふつうの子どもたちは品行方正だったのですねえ(いや、そんなことをいっているから、歌詞が嫌われて51位で止まってしまったのか?)。いまでは、日本ですら、こんな歌詞では、ケッと嗤いとばされるのでは? それとも、こういうモラルを支持する「サイレントな」若年層がいまだに相当数残っているのでしょうか? わたしにはさっぱりわかりません。

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テーマ : 60年代の輪郭(音楽)
ジャンル : 音楽

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