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エリー・グリニッチ追悼 その7 クリスタルズ“ダ・ドゥー・ロン・ロン”(Da Doo Ron Ron)

2009-09-24

曲名
“ダ・ドゥー・ロン・ロン”(Da Doo Ron Ron)
アーティスト
クリスタルズ(The Crystals)
収録アルバム
『ベスト・オヴ・ザ・クリスタルズ』(The Best of the Crystals)
作曲者
ジェフ・バリー、エリー・グリニッチ(Jeff Barry, Ellie Greenich)
リリース年
1964年


ジェフ・バリーとエリー・グリニッチという、大ヒットを連発したソングライター・チームの話なのに、ノン・ヒットが続いたのには、ちょっと恐縮してしまいました。

今日は大丈夫。クリスタルズの63年の大ヒット、「ダ・ドゥー・ロン・ロン」(Da Doo Ron Ron)です。これだけいえば、今日の用事はもうすんだような気もします。数ヴァージョンを並べて聴いてみましたが、フィル・スペクターがつくったクリスタルズ盤と同じ次元で語れるようなものはありません。一頭のゾウとアメーバの群れです。

Crystals Da Do Ron Ron


ポジションとしては、62年のチャート・トッパーであるHe's a Rebelのほうが上ですが、楽曲の出来も、フィル・スペクターのプロダクションも、ハル・ブレインのプレイも、ラリー・レヴィンの録音も、すべてにわたってDa Doo Ron Ronのほうが数段まさっています。

その後の歴史を見ても、Da Doo Ron Ronはクラシックの地位を獲得したのに(パスティーシュとしてつくられた大滝詠一の「うららか」まで含めていいのではないか?)対して、He's a Rebelはオリジナル以外は知られていません。

la la brooks and phi spector
クリスタルズのリード、ララ・ブルックスとフィル・スペクター

なんといってもわたしが好きなのは、ハル・ブレインがずっと叩きつづけている、ライド・シンバルの四分三連です。じつにきれいな四分三連で、聴いていて陶然としてきます。

わたしは、Da Doo Ron Ron一曲で、ハル・ブレインはキングの座に手をかけたと思っています。これでリーチ、つぎのロネッツのBe My Babyで、アール・パーマーを押しのけてハリウッドのドラマーのキングになりました。フィル・スペクターがたとえハンニバル・レクターのような極悪人だろうと、ハル・ブレインだけは刑務所に差し入れに行く義理があるでしょう。

もうひとつ、ニーノ・テンポがオーヴァーダブしたといわれる、ベース・ドラムによるフィルインも圧倒的です。こういうことをやってみようと思い立つのは、その人間が乗っているときです。1963年のフィル・スペクターのドライヴぶりは、アメリカ音楽史上稀なるスウィープでした。だから、年末の大コケはダメージだったでしょうね。そのことについては、このエリー・グリニッチ追悼特集のなかで改めてふれます。

The Best of the Crystals
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The Crystals
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クリスタルズのベスト盤といえば、これしかないと思っていたのだが、いつのまにか廃盤、プレミアムがついてしまった。うーん。わたしのを売っちゃおうか!

もう一枚、クリスタルズのベスト盤があったが、これは怪しいと思って読んでいったら、カスタマー・レヴューで、新録音と書いてあった。わたしは大昔、LPでクリスタルズの新録音ものを聴いたことがあるので、引っかからなかっただろうが、騙された方はご愁傷様。念のために偽物の顔を確認しておきたい方は、このページをご覧あれ。

Back to Mono (1958-1969)
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Phil Spector
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クリスタルズ単独の盤がないとなると、もうこれしかありません。世に箱は掃いて捨てるほどあれど、これにまさる箱なし。20世紀の至宝、一家にひと箱、天下のバック・トゥ・モノ箱です。うちなんか、CDとLP、ふた箱もしまってあります。

Phil Spector Definitive Collection
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箱はちょっときびしい、という人のために、現在はこのような2枚組ベスト盤があります。といっても、1枚はベスト・コンピレーション、もう1枚はクリスマス・アルバムという変則的なものです。LP時代にもそういう2枚組があって、わたしも買いました。青スペクターと赤スペクターのセット、オールド・タイマーはご記憶でしょう。

☆ ベルモンツ(ディオン抜き)盤 ☆


すごくいいというほどではないのですが、ディオンのいないベルモンツのヴァージョンは、レンディションの方向性としては面白く、じっさいの仕上がりもまずまずで、それなりに楽しめます。


The Belmonts


1972年のリリースだそうですが、この時期のベルモンツというのは記憶がございません、はい。ディオンのほうも1968年のAbraham, Martin and John以来、ヒットがなく、両者ともに低迷です。

Cigars, Acappella, Candy
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The Belmonts
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☆ Jack Nitzsche(ジャック・ニーチー)盤 ☆


1962年のHe's a Rebel以降、ハリウッドでのフィル・スペクターのアレンジャーをつとめたジャック・ニーチーも、アルバム『ザ・ロンリー・サーファー』(The Lonely Surfer)でDa Doo Ron Ronを取り上げています。

ジャック・ニーチーはクリスタルズ盤でもアレンジをしているので、いわば変則セルフ・カヴァーですが、うーん、これはどうでしょうかねえ。オリジナル盤のアレンジャーとしては、ドラスティックなアレンジの変更をしなければと思ったのでしょう。それはわかりますが、はてさて、わたしにはあまり面白いアレンジには感じられません。

ジャック・ニーチー

The Lonely Surfer
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Jack Nitzsche
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☆ その他のヴァージョン ☆


わが家にはほかに、サーチャーズ、ビーチボーイズ(ブート)、ブライアン・ウィルソン(ライヴ、ブート)、カーペンターズ、アイケッツのヴァージョンがあります。

うーん、困りましたね。いずれがアヤメかカキツバタならいいのですが、その反対といったほうがいいようです。しいていうと、アイケッツのヴァージョンはあまり違和感がなく、そこそこ楽しめます。あとはねえ……。

カーペンターズ Now and Then

Now & Then
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The Carpenters
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ポップ・クラシック・カヴァー集として、それなりに楽しいのだが、オリジナルを凌駕するようなものはなく、どれも軽い仕上がり。そこがいいといえば、いえなくもないが、やはり半チクな盤だと思う。半チクだから、素人衆に人気があるのだろう。

サーチャーズ Meet the Searchers
Meet the Searchers
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The Searchers
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サーチャーズのデビュー盤。すでにスタイルはできているが、当然ながら、それが合う曲と合わない曲があり、Da Doo Ron Ronはぜんぜん合っていない!

アイケッツ
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世間のお好みだから、紙ジャケのものもあげておいたが、個人的には、ジャケットによけいな金をかけたのなら、どこか大事なところでコストダウンをしているだろうと疑ってかかる。いいえ、コストアップ分はすべて価格に転嫁しました、といわれたら、それはそれで馬鹿馬鹿しい。紙のジャケットが欲しいなら12×12インチの盤のほうがずっといい。

アイケッツ
Can't Sit Down... 'Cos It Feels So Good: The Complete Modern Recordings
The Ikettes
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売り上げランキング: 275454

以上のような理由で、わたしだったら、こちらの盤を買う。
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