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エリー・グリニッチ追悼 その1 ロネッツ“ビー・マイ・ベイビー”(Be My Baby by the Ronettes)

2009-09-07

曲名
ビー・マイ・ベイビー(Be My Baby)
アーティスト
ロネッツ(The Ronettes)
収録アルバム
『ザ・ベスト・オヴ・ザ・ロネッツ』(The Best of the Ronettes)
作曲者
ジェフ・バリー、エリー・グリニッチ(Jeff Barry, Ellie Greenich)
リリース年
1963年
the best of the ronettes


これから数回にわたって、先日没したエリー・グリニッチの追悼をします。主として、彼女が書いた曲を取り上げることになりますが、彼女自身が歌ったものにもふれることになるでしょう。

本題に入る前に名前の読みの問題を片づけておきます。辞書には、Greenwichの読み方が3種出ています。天文台で有名なイギリスの町Greenwichは「グリニッジ」という、スペルから類推しにくい発音をしますが、これが人名に適用される場合もあるようです。

ウィキペディアのエリーのエントリーは、根拠は示さないまま、「グレニッチ」と発音するとしています。彼女自身がインタヴューなどで、そう発音すると語ったのかもしれません。

ほかに「グリニッチ」という読み方も存在します。わたし自身は「グレニッチ」がよいと思いますが、検索の便宜を考えて、比較的よく使われている「グリニッチ」をとることにしました。妥協の産物ですが、「ジャック・ニッチェ」のような、ありえない発音でもなければ、実体(正しくはジャック・ニーチー)とかけ離れているわけでもないので、「グリニッチ」を採用しても問題はなかろうと考えます。

なお、ときおり見かける「グリーンウィッチ」などのeeを伸ばす発音は、まずないと思って大丈夫です。固有名詞なので、うちの家系は昔から「グリーン」と伸ばすことになっている、という人がどこかにいる可能性は否定できませんが、無視してよい程度の確率でしょう。

☆ フィル・スペクター/ロネッツのオリジナル ☆


こんなことは書くまでもないことですが、やはり、エリー・グリニッチの代表作といえば「ビー・マイ・ベイビー」なので、無視するわけにもいかず、わたしもこの世評を追認する、ということだけ書いておきます。

ただし、極論するなら、この曲が好きというより、ロネッツのオリジナル・ヴァージョンで、フィル・スペクターがつくりあげたサウンドが好きなのであり、ハル・ブレインのドラミングを愛しているのですが。いや、曲が悪ければ、サウンドもドラミングも生きないのだから、「ビー・マイ・ベイビー」も出来のいい曲だといっても大丈夫でしょう。

The Best of the Ronettes
The Best of the Ronettes

☆ アンディー・キム ☆


フィル・スペクターの畢生のシングルであるロネッツのBe My Babyの前では、当然ながら、カヴァー・ヴァージョンはみな霞んでしまいます。唯一、カヴァーのなかでビルボードにチャートインしたのは、1970年のアンディー・キム盤です。個人的にはあまりいい出来とは思いませんが(アンディー・キムの歌やアレンジより、ドラムとベースのプレイが気に入らない)、チャート・ヒットであることは無視できません。

しかし、このヴァージョンがヒットした裏には、この前年、キムが同じくスペクター/ロネッツ/バリー=グリニッチのヒットである、「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」(Baby I Love You)をカヴァーして、トップテンに入るヒットになったという事実があります。

チャート・ポジションが示しているように、先に録音された「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」のほうが出来がよく、柳の下の二匹目のドジョウだった「ビー・マイ・ベイビー」の出来はよいとはいえず、前作のヒットの余勢を駆って(じっさい、アレンジはまったく同じ)、いわば「ついでにヒット」したにすぎません。

まあ、わたしはそのように感じますが、当時、このシングルを買った人たちもたくさんいたとビルボードが証言しているわけだから、ロネッツ以外のヴァージョンで、唯一トップ40に届いたものとして、「ついでに」聴いてみるのも一興かもしれません。

現在入手可能なアンディー・キムのベスト盤は2種類あるようです。

Baby I Love You: Greatest Hits
Andy Kim
EMI (1999-12-28)
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上はスティードとキャピトルという2つのレーベルを横断するベスト盤です。アンディー・キムの曲としては、キャピトル時代の「ロック・ミー・ジェントリー」(Rock Me Gentry)のほうが、「ビー・マイ・ベイビー」よりずっと好きなので、わたしはこの盤の選曲のほうがいいと思います。

もうひとつは、スティード時代の2枚のLPを合わせたトゥーファーです。
Baby, I Love You/Andy Kim
Baby, I Love You/Andy Kim
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Andy Kim
Collectors' Choice Music (2006-07-25)
売り上げランキング: 792938


「ロック・ミー・ジェントリー」は別の盤でもっている、スティード時代のものをたくさん聴きたい、ということであれば、こちらのほうがいいでしょう。じつはわたしも、Rock Me Gentryは各種オムニバスで数種類もっているので、もう不要なんですが!

☆ サーチャーズ盤 ☆


サーチャーズも「ビー・マイ・ベイビー」をカヴァーしています。オリジナル曲というのがほとんどなく、他人の曲を自分たちのスタイルにうまく嵌めこむことで数々のヒットを生んだグループですが、「ビー・マイ・ベイビー」は料理しにくかったようで、これまた残念ながら、あまりいい出来とはいえません。原曲がどんなものだったか、完全に頭から消さないと、聴いていて落ち着かない気分になるでしょう。

したがって、ベスト盤に収録されることはめったになく、わが家にあるのは1965年のアルバム『テイク・ミー・フォー・ホワット・アイム・ワース』(Take Me For What I'm Worth)のストレート・リイシューに収録されたヴァージョンです。

テイク・ミー・フォー・ホワット・アイム・ウォース+17(紙)
ザ・サーチャーズ
ビクターエンタテインメント (2003-02-21)
売り上げランキング: 425115


上記国内盤は28曲入り紙ジャケで、オリジナルの『テイク・ミー・フォー・ホワット・アイム・ワース』に大量のボーナスを加えたものです。

以下は輸入盤で、こちらは「テイク・ミー・フォー・ホワット・アイム・ワース」(worthはウォースではなく、ワースと発音する)オリジナル・モノにステレオ・ミックスを合わせ、そこにボーナス少々という編成です。
Take Me for What I'm Worth
Take Me for What I'm Worth
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The Searchers
Kapp (2001-03-26)
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この輸入盤は31曲入りで、国内盤とは選曲が異なります。

しかし、この値段だったら、いっそ3枚組ベスト盤のほうがいいような気もします。
The Definitive Pye Collection
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The Searchers
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☆ エリー・グリニッチのセルフ・カヴァー ☆


最後に、後年、作者のエリー・グリニッジ自身がカヴァーしたヴァージョンもあります。たぶん、フィル・スペクターと同じ方向にいっては完敗するだけだと思ったのでしょう、なんとワルツ・タイムでやっています。スペクターが通った道は避けたい、というのはよくわかりますが、これはかなり力の抜けるアレンジです。

Composes, Produces & Sings/Let It Be Written, Let It Be Sung

Composes, Produces & Sings/Let It Be Written, Let It Be Sung

結局、とくにいいと思うカヴァーはなく、フィル・スペクターが完璧な仕事をしたことを確認するだけの聴きくらべでした。

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