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追悼 レス・ポール その3 『レス・ポールの伝説(Les Paul: Chasing the Sound)』(DVD)

2009-08-21

タイトル
『レス・ポールの伝説』(Chasing the Sound)
アーティスト
レス・ポール(Les Paul)
リリース年
2007年
les paul - chasing the sound


レス・ポールの『チェイシング・ザ・サウンド』というDVDは、テレビ番組をパッケージ化したものです。

第二次大戦前から活躍してきたプレイヤーなので、初期の映像はほとんどないのでしょう、そのへんのことはスティル写真とレス・ポール自身の語りによって構成されています。動画が増えはじめるのは、戦後、メアリー・フォードとデュオを組んでからです。テレビの普及のおかげなのでしょう。

☆ サウンド・オン・サウンド ディスク篇 ☆


レス・ポールに対するわたしの関心は、ギタリストとして、そして、録音技術の革新者ないしはスタジオ技術の発明者としての両方にあるのですが、どちらが重要かというならば、ひょっとしたら後者かもしれないと感じます。

このヴィデオを見て驚くのは、ギターのみならず、当時使っていた録音機材の多くが保存されていることです。アンペクスのモデル200という、初期のテープ・マシンがちゃんと登場したのには仰天しました。

ampex model 200 tape machine

「同じものなんかつまらない、わたしがほしかったのは、この地上でかつて聴かれたことのないものだった。新しいサウンドがつくりたかったのだ」

というレスター自身の言葉が、彼が自宅に保存していた機材を駆使して、われわれに残してくれた遺産の本質を余すところなく語っています。

そのだれも耳にしたことのなかったサウンドを、レス・ポールどうやってつくったか? 最初はラッカー盤という、一回だけ録音できるSP盤のようなもので、いわゆるピンポン録音を繰り返しました(ときには1曲のために、300枚のラッカー盤を消費したことがあるという)。

もうひとつは、可変速カッティング・レイズ(カッティング・マシン)を使用した低速録音によるピッチの変調、ディスク・ディレイによるギターの音色の変化なども利用しました。これはすぐに使われなくなりますが、基本理念としては現代も生きつづけています。

garage studio outside
ハリウッドにあったレス・ポールの初期のガレージ・スタジオ。Loverなどが録音された。

☆ サウンド・オン・サウンド テープ篇 ☆


ビング・クロスビーにアンペクスをプレゼントされてからは、レス・ポールは自分で機械に改造を加え、テープのオーヴァーダビングを利用するようになりました。

ビング・クロスビーとアンペクス・テープ・マシンの開発については面白い話があるのですが、それはかつて、わたしが居候していたサイト、Add More Music所載の『音楽の都ハリウッド』という記事の一部としてまとめましたので、ビングやレス・ポールや録音技術の歴史に関心のある方はご覧になってみてください。

bing crosby with the les paul trio
ビング・クロスビーとレス・ポール・トリオ

さて、テープ・マシンのおかげで「サウンド・オン・サウンド」は楽になったのかと思ったら、そうでもなかったようです。なぜならば、最初は1トラックに2つのヘッドを取り付け、再生と同時に録音をできるようにしただけだったからです。つまり、フィルムの二重露光と同じで、いったん重ねてしまったら、もう元には戻せないのです。レスター自身が、DVDのなかでこういっています。

"You're burning the bridges behind you, because you can not go back to the previous part and doing it over."

「まるで渡った橋をつぎつぎに燃やしてしまうようなものだ。前のパートに戻って、やり直すわけにはいかなかったのさ」

この1トラック2ヘッド・テープ・マシンでのオーヴァーダビングは、想像するだけでどっと疲れてしまいます。たとえば、レス・ポールのリズム・トラックに10回のオーヴァーダブ、メアリー・フォードのヴォーカルに5回のオーヴァーダブをするとしましょう。この15回のパスすべてを大きなミスなしでやり通さなくてはいけないのです。

そうでしょう? 1トラックしかないのだから、そこに音を重ねたら、もう消せません。いや、消すなら、すべてを消すしかないということです。

レス・ポールの家には2台のアンペクス・モデル200がありましたが、解決策は、ディスクによるサウンド・オン・サウンドと同様、2台のマシンでピンポン録音することだったにちがいありません。

ampex model 200s

アンペクスはレス・ポールの改造を見て、2トラック・マシン、3トラック・マシンを開発することになったそうですが、レスターは、そういうものがこの地上に存在する以前に、みずからのサウンドを実現するために、そういうものが必要だということを明確なロード・マップにして見せたのです。天才と呼ぶべきでしょう。

☆ ショウマンシップとプレイ・スタイル ☆


最後に、いや、これを後回しにするのは失礼だったかもしれませんが、このヴィデオでは、ギタリストとしてのレス・ポールも堪能することができます。

動いているレス・ポールをはじめて見たときに思ったのは、うわあ、ジミヘンの先祖かよ、ということです。レスターのショウ・アップしたピッキングから親類を見つけるとなると、同時代はおろか、後年のジャズ・ギタリストにも縁者はゼロです。どう考えても、こういう風にピッキングし、こういう風にギターを扱うのは、ジャザーらしくありません。

les paul and gibson les paul gold arch top

この人の本来的な派手好み、ショウマンシップはやはりジャズの枠組みには収まるものではないのでしょう。そして、フレットの上で弦をはじいたりするのを見ると、いやでもジミヘンを思いだしてしまうのです。

細かいことになりますが、レス・ポールのプレイにはしばしば非常に強いカッティングが出てきます。音からしてそうかと思っていましたが、動きを見て、やはりアップ・ストロークを使っていることがたしかめられました。そうじゃないと、あれほど強く高音弦をカットすることはできないでしょう。

そして、このアップ・ストロークを見ていても、タイムのいい人だなあ、と感心します。いろいろな才能のある人でしたが、もっとも根本にあるのは正確なタイムではないでしょうか。それに基づくすぐれたグルーヴの創造を基礎として、あれだけのヒット曲を残したのだろうと思います。

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ホームスタジオのレス・ポールとメアリー・フォード

コメント欄でのやりとりに付随して、その説明として以下の2枚の写真を補足します。

ただし、この2枚はじっさいのレコーディングのようすを撮ったわけではなく、こんな感じで仕事をしています、というメディア向けのパブ・ショットと思われます。

les paul and mary ford in the studio 1

les paul and mary ford in the studio 1


ビル・パトナムが製作した3種類のコンソール

再び、コメント欄のレスの補足として、写真を追加します(2009年9月12日)。

phil spector and universal's console
まずは伝記の表紙などに使われた有名なフィル・スペクターの写真です。ここに写っているのはユニヴァーサル・オーディオ製12インプット・ミキシング・デスクでしょう。もちろん、スタジオはゴールド・スター・レコーダーにちがいありません。

larry levin, phil spector and nino tempo
もう一枚、エンジニアのラリー・レヴィン、スペクター、そしてニーノ・テンポの三人。レヴィンが操作しているのは、上の写真と同じ12インプット・コンソールでしょう。

bones howe and jan berry at the united western's booth
ちょっと写真が小さくて恐縮ですが、こちらはボーンズ・ハウとジャン・ベリー。場所はユナイティッド・ウェスタン・レコーダーのブースと想定して大丈夫でしょう。ジャンはユナイティッドしか使わなかったといわれていますし、ボーンズは当時、ユナイティッドに所属していました。ユナイティッドはパトナムのスタジオなので、機材はユニヴァーサル・オーディオ製でしょうが、12インプットではないので、ひとつ前の世代と思われます。

bill putnam
こちらはビル・パトナム(手前)。時期は不明ですが、チャンネル数からいって、まだシカゴでスタジオを経営していたころだろうと推測できます。上の写真でボーンズが操作しているコンソールよりさらに前の世代だと思われます。

bill putnam and nat king cole

同じくビル・パトナム。左はナット・キング・コール。シカゴは不便だから、ハリウッドに来てくれとパトナムを説得したアーティストのなかには、ナット・コールもいたそうです。おかげで、アメリカ音楽史に燦然と輝くユナイティッド・ウェスタンが誕生したのだから、ナット・コールたちはここでもささやかな貢献をしたことになります。
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テーマ : レコーディッド・ミュージックの歴史
ジャンル : 音楽

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No title

たしか、シドニー・べシェも、レコード盤(アセテート盤?)を使った多重録音をしていますね。
ところで、記事を拝見してあらためて疑問に思ったんですが、レコード盤を使ったピンポン録音って言うんですか、これは、古いのテイクをスピーカーで再生しながら新しい演奏をして、両方を新しいテイクとして録音し直すということでしょうか?そうすると、かなり音が劣化していくように思うのですが。
1トラック2ヘッドのテープ録音も、同じでしょうか。

ヘッドセットによるモニターの利用

いらっしゃいませ。Songs for 4 Seasonsでもコメントなさってくれた方ですね?

ラッカー盤による多重録音はLoverほか数曲しかないようですが、スタジオに音を流してそこに重ねるのではなく、元の音はダイレクトにもう一台のカッティング・マシンへ送られたようです。

なぜそれがわかるかというと、写真でもヴィデオでも、レス・ポールとメアリー・フォードがヘッドセットをしているからです。スタジオには音を流さないから、ヘッドセットでモニターする必要があったにちがいありません。

じっさい、ご指摘のように、そうしないと音はどんどん劣化していき、数十回のオーヴァーダブなどしたら、モワモワになってしまうでしょう(フィル・スペクターはTo Know Him Is to Love Himで、スタジオに流したバックトラックに合わせて歌い、靄のかかったような効果をねらったそうですが)。

1トラック2ヘッドの改造アンペクスのサウンド・オン・サウンドや、2台のアンペクスによるピンポンの場合も、スタジオに音を流すということはしていないだろうと十分な根拠をもって推定できます。いまでもそうですが、あの時代はとくに、音の劣化との戦いは非常にきびしいものがあったはずで、だからこそ、ヘッドセットをかけたレス・ポールの写真がたくさん残っているのででしょう。いまLoverを聴いても、クリアなサウンドに驚きます。

以上、おたずねのことの答えになっているでしょうか。あとでレス・ポールがヘッドセットをしている写真を見つけ、この記事のどこかに貼り付けるようにします。

No title

はい、以前、別のブログにもコメントさせていただきました。
「元の音はダイレクトにもう一台のカッティング・マシンへ送られたようです」
そんなことが、できるんですか(機械や電気はよくわからないもので)!
80年頃でた国内盤のベストアルバムを持っていますが、たしかに、ラバーは非常にクリアな音ですね。
ついでに言うと、ベストCDで持っているシドニー・べシェの音もクリアです。
疑問氷解いたしました。ありがとうございます。

No title

「あとでレス・ポールがヘッドセットをしている写真を見つけ、この記事のどこかに貼り付けるようにします」
どうも、ご丁寧にありがとうございます。
以前、Youtubeでレス・ポールの映像(テレビショーや、録音方法を解説した番組)を見つけて驚いたんですが、記事で紹介しておられるDVDなんかをアップしたものなんでしょうね。
下の再現?番組でも、たしかに、ヘッドフォンをして、口パク、手パク?しているようです。
(英語が苦手なんですが、ボーカルとギターを別々に、それぞれ12トラックずつ録音したといっているんでしょうか。)
http://www.youtube.com/watch?v=e0ffdwBUL78

「トラック」と「パート」

再びいらっしゃいませ。

> 以前、Youtubeでレス・ポールの映像(テレビショーや、録音方法を解説した番組)を見つけて驚いたんですが、記事で紹介しておられるDVDなんかをアップしたものなんでしょうね。

YouTubeにアップされているHow High the Moonは、紹介の部分がもう少し長いものがDVDにも収録されています。おっしゃるように、音はレコードと同じなので、こんな感じに録音しました、という再現ないしはデモンストレーションというところですね。

> ボーカルとギターを別々に、それぞれ12トラックずつ録音したといっているんでしょうか。

司会者が言葉の選択をまちがえて、最初はおっしゃるように、「12トラック」「24トラック」「26トラック」などといっていますが、司会者との対話の最後に、レス・ポールが「(合計で)26パート」と言い直していますね。

「トラック」ではなく、「パート」だと訂正したのは当然でしょう。How High the Moonの時点での機材は、このクリップにもチラッと出てくるように、おそらく1トラックのアンペクス・モデル200にすぎず、これを2台使ってピンポンしただけなので、2台合わせてもトラック数はたったの「2」でしかないからです。

この2台のあいだで音を何往復もさせて、26パートのサウンド・レイヤーをつくった、というわけです。だから、26「トラック」ではなく26「パート」なのだ、とこだわったわけです。

もうひとりの先覚者

> 「元の音はダイレクトにもう一台のカッティング・マシンへ送られたようです」
> そんなことが、できるんですか(機械や電気はよくわからないもので)!

だれでもいいのですが、スタジオでヘッドセットをしているアーティストの写真というのをたくさんご覧になったことがあるのではないでしょうか。オーヴァーダビングをする場合、スタジオに音は流さず、ヘッドセットでモニターするのが昔も今も変わらぬ基本です。

もっとも典型的なのは、完成したバックトラックをヘッドセットでモニターしながら、シンガーがヴォーカルをダビングする、というケースですが、もちろん、現在はマルチトラック・テープ・マシン1台でできます。

レス・ポールがHow High the Moonを録音した時代には、マルチ・トラックがないので、原理的にはマルチ・トラック録音と同じことを、複数のレコーダーを使って実現したわけです。

元の音が録音されたテープを再生するアンペクスの出力を、録音側のアンペクスの入力に入れる、同時に、この出力はレス・ポールとメアリー・フォードのヘッドセットにも分配される、というスタイルです。技術的にはそれほどむずかしいことではなく、問題はノイズだっただろうと思います。

> シドニー・べシェの音もクリアです。

わが家にはベシェの盤がないので、近々入手して聴いてみたいと思います。

レス・ポールと同じ時期にサウンド・オン・サウンドを試みていた人がもうひとりいます。「近代サウンド・レコーディングの父」といわれる、ユニヴァーサル・オーディオの創設者にしてユナイティッド・ウェスタン・スタジオのオーナーである、ビル・パトナム(Bill Putnam)です。

パトナムについては、かつてAdd More Musicに居候していたときに、『ハリウッド・ビート』という記事の注釈(http://www.addmoremusic.net/hollywood/foottr06.html#foot1)として書きましたし、Songs for 4 Seasonsブログでも繰り返し言及しています(「ビル・パトナム」というキーワードで検索した結果は、http://www.exblog.jp/search/?blogid=1020147840&t=0&q=%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0")。

パトナムの多重録音としてもっとも有名なのは、パティー・ペイジの「テネシー・ワルツ」です。

No title

「元の音・・・の出力を、録音側のアンペクスの入力に入れる、同時に・・・ヘッドセットにも分配される」
いいえ、私が引っかかったのは、その次のプロセスです。元の音の出力と、オーバーダビングしたい演奏(マイクからの入力)を混ぜて、1トラックに録音するところです。
まあ、当時もミキサー?があったんでしょう。
手元の本に、マスターレコーダーズのエイブ・バニー・ロビンが、多くて12本のマイクを使って(楽器別に分離して)クリアなレコードを作ったとありますし。
ただ、昔、家庭用のレコーダーでカセットをダビングすると極端に音が悪くなりましたよね。おそらく、40、50年代当時の業務用機器の性能もあまり高くなかったと思います。CDや再発レコードの音がクリアなのは、雑音除去システムの威力も大きいのではと、考え直しました。

No title

それと、申し訳ありません。
何度も、シドニー・べシェと書きましたが、手元のCD(Colunbia Legacyシリーズのベスト盤)を確認したら、多重録音の作品は入っていないようです。
多分、ご紹介された他サイトの記事か何かを以前読んで得た知識と、勘違いしていたようです。すみませんでした。
(このCDにはSP起こしもあるようですが、音だけはクリアです。)

Re: No title


> いいえ、私が引っかかったのは、その次のプロセスです。元の音の出力と、オーバーダビングしたい演奏(マイクからの入力)を混ぜて、1トラックに録音するところです。
> まあ、当時もミキサー?があったんでしょう。

さまざまな理由から、わたしはそこに疑問を持ちませんでしたし、そう考えるのははじめから無益だろうと思います。その理由は、

1.ミックスできたからこそ、いまLoverやHow High the Moonが存在し、聴くことができる。ミックスできなければ、どちらの曲もこの世に存在していない。

2.レス・ポールは発明家であったのみならず、電気技術者であり、必要な機材は自分でつくった。カッティング・レイズも自作だし(キャディラックのフライホイールが重くて安定しているので流用した)、アンペクスから追加のヘッドを取り寄せ、自分でモデル200に取り付け、再生と同時に録音できるようにした。分配とミックスに関して必要な機材があれば、たちどころにつくったであろう。

3.基本的に分配とミックスは同じことである。分配ができるならミックスもできる。各チャンネルの性質(たとえば音量)をコントロールするのは別の問題であり、分配・ミックスにかかわる本質的要素ではない。

> 手元の本に、マスターレコーダーズのエイブ・バニー・ロビンが、多くて12本のマイクを使って(楽器別に分離して)クリアなレコードを作ったとありますし。

それはおそらく、ビル・パトナムのユニヴァーサル・オーディオが製作し、当時のアメリカ、とくにハリウッドの独立スタジオではスタンダードになっていた、12インプットのミキシング・デスクでしょう。この記事に、再度、追加をおこない、コンソールの写真を数枚貼り付けておきますので、ご覧ください。

ビル・パトナムは一時期、マスター・レコーダーにかかわっていたことがリック・ネルソンの伝記の記述から伺えます。ただし、彼がつくったスタジオはサンセットにあったユナイティッドと、ウェスタン・スタジオを買収して改修したユナイティッド・ウェスタンのほうで、マスター・レコーダーを買収したという記述は見たことがありません。

> ただ、昔、家庭用のレコーダーでカセットをダビングすると極端に音が悪くなりましたよね。おそらく、40、50年代当時の業務用機器の性能もあまり高くなかったと思います。CDや再発レコードの音がクリアなのは、雑音除去システムの威力も大きいのではと、考え直しました。

問題はダビングのほうにあったと思います。50年代の一発録りのオーケストラ音楽などで、しばしば仰天する録音に遭遇するわけで、アンペクスの技術(元をたどればドイツから来たそうですが)は、家庭用レコーダーとは隔絶したものだったのでしょう。

ディジタル技術はノイズ・リダクションでは大きな力を発揮しますが、もとからきちんと録れていない音を、あたかもきれいに録音されていたかのように化粧することはできないのではないでしょうか。

Loverは50層にもおよぶ音のレイヤーを積み上げたにしては、最下層の音(ベースやスネア)もちゃんと聞こえていて、レス・ポールの技術の高さがうかがえます。もちろん、ビル・パトナムが録音したパティー・ペイジのテネシー・ワルツにも同じことがいえるわけで、1950年ごろにおきた、世界のスタジオ技術を大きく前進させ、ひいては記録された音楽の質そのものを根底から変えた、二人の大先覚者たちの熾烈な争いは、いまふりかえっても興奮を覚えます。

シドニー・ベシェのことは残念です。わたしのサウンド・オン・サウンドに関する知識はレス・ポールとビル・パトナムにしか及んでいず、諸書にもベシェの多重録音に関する言及はなく、新発見かと思っていました。

No title

「さまざまな理由から、わたしはそこに疑問を持ちませんでした」
そうですか。ミキシングの方が本質で、オーバーダビングやマルチトラック技術の、そもそもの出発点のような気がするのですが。多分、私が電気関係に疎いせいかもしれません。

「シドニー・ベシェのことは残念です・・・新発見かと思っていました」
舌足らずな文章で、誤解させてしまったようです。
べシェの多重録音(おそらく、ピンポン録音?によるオーバーダビング)は、英文のWikipediaや、(記憶が定かでありませんが)かって居候しておられたサイトの記事などにも(たしか)書いてあり、間違いありません。
そうではなくて、手持ちのCDに多重録音の曲が収録されていると思ったのが、誤解だったという話でした。すみません。

ロビンとパトナムの関係は良くわかりません、というか、ネットで検索しても、ロビンの情報は少ないようです。
ただ、12チャンネルというのは最大時でのようですし、ミキシング・コンソール自体、パトナム以前から存在していたでしょうから、直接の接点ができたのは50年代後半以降のような気がします。
手元の本には、ロビンはマスターレコーダーズをつぶして、ユナイッテッドを作り、62年に引退したとあります。
もっとも、元バイオリン奏者とのことで、電気には詳しくなさそうです。

この件は終了します

すでに説明したことを何度も繰り返すほど馬鹿馬鹿しいことはないので、この件はこの書き込みをもって終わります。以後の書き込みは削除します。

ミックスする技術がなければ、盤がリリースされないのは自明のことであり、疑問の入りこむ余地はありません。自明のことに疑問を持つのは時間の無駄です。以上。
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