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エルヴィス映画見直し (There's) No Room to Rhumba in a Sports Car by Elvis Presley(映画『アカプルコの海』より その4)

2010-01-24

曲名
(ゼアズ・)ノー・ルーム・トゥ・ルンバ・イン・ア・スポーツ・カー((There's) No Room to Rhumba in a Sports Car)
アーティスト
エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)
収録アルバム
『アカプルコの海』サウンドトラック(Fun in Acapulco OST)
作曲者
フレッド・ワイズ、ディック・マニング(Fred Wise, Dick Manning)
リリース年
1963年


今日は『アカプルコの海』の最終回にしようと思ったのですが、曲を絞り込めず、結局、もう一回、つまり今回と合わせてあと4曲見ていくことにしました。

エルヴィスはアカプルコのクラブで会った女闘牛士(エルザ・カルデナス)に惹かれ、ちょっかいを出してしまいますが、その後、船を首になって雇われたアカプルコのホテルに勤めている娘(アーシュラ・アンドレス)に惚れてしまいます。

このような、考えなしのオス猫的行動がトラブルを生むのは、この種の青春映画のひとつのパターンで、愚かなふるまいをしないと映画的「事件」が起きず、プロットが作れないのだから、まあ、笑って受け入れるしかありません!

elsa

elsa

たいていの物語は、登場人物全員が賢明に振る舞っていたら、こんなことは起きなかっただろうと思われるものです。ということはつまり、われわれの現実社会も、登場人物全員が賢明に振る舞えば、なにも事件は起きず、退屈な平和が実現されることを、映画は証明していることになります!

ということで、エルザ・カルデナスのほうがその気になってしまったので、エルヴィスは、失敗したな、と思いながらも、二人の女性にいい顔をし、そのあいだにはさまって気まずい思いをしたり、本命であるアーシュラ・アンドレスをなだめたり、けっこう忙しいことになり、映画はそれを糧にエンド・マークを目指すことになります。いや、もういっぽうで、空中ブランコの事故によるトラウマの克服というのがあるのですが、まあ、そちらはのちほど。

今日は二人の美女のうち、エルザ・カルデナスにかかわる曲です。

The Bullfighter Was A Lady


エルヴィス・プレスリー・ファン・サイトを数カ所見たのですが、そのうちのひとつは、ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスのサウンドがブームだったので、この映画のサウンドトラックはTJB風につくってある、としていました。

elsaうーん、そう言いきっていいでしょうかねえ。後年の目で見ると、TJBはビッグネームです。1963年にもそうだったか? あのときにはまだLonely Bullの一発屋でした。しかも、まだツアー・バンドを組んでいないので、プロモーションでメディアに載ることもなければ、ツアーもしていませんでした。

ハーブ・アルパートはハンサムかもしれませんが、それはアルバム・ジャケットだけの話であり、この世のだれひとりとして、まだTJBというバンドがプレイしている姿を見たことはありませんでした。ハーブ・アルパートだって、そんなバンドがあるとは思っていなかったにちがいありません。ハル・ブレイン(ティンパニー)やアール・パーマー(トラップ・ドラム)といったスタジオ・プレイヤーによる臨時のメンバーで録音していただけで、ティファナ・ブラスの実体などなかったのです。

『アカプルコの海』よりずっとあとの1965年、TJBの存在を確固たるものにならしめたA Taste of Honeyの大ヒットによって、ツアー・バンドが組まれ(いうまでもなく、ハル・ブレインやオリー・ミッチェルのようなエースはスタジオの外には出ないので、ツアー・バンドには参加しない)、ハーブ・アルパート自身もステージに立つことになります。

この1965年以降につくられたイメージで、1963年をふりかえると、TJBがブームだったから、『アカプルコの海』は「ティファナ・ブラス風のサウンド」でつくられたように聞こえてしまうのではないでしょうか。『アカプルコの海』のときには、まだTJBサウンドは、だれでもすぐに認識するようなものではなかったと考えます。

ハリウッドでメキシコ風音楽をつくれば(LAは巨大なチカーノ・コミュニティーを抱えていた)、だれがやってもああいう音になるにすぎない、とわたしは考えています。『アカプルコの海』のサントラがとくにTJBを意識したわけではないでしょう。TJBのLonely Bull自体、要するに「ハリウッドでつくったメキシコ風音楽」なのだから、音が似て当たり前なのです。TJB風だと感じる人は、あれがハーブ・アルパートの独創になるものと勘違いしているのではないでしょうか。アルパートはマリアッチを借用し、アメリカ式ビート・ミュージックの上に載せてみただけです。

00TJB.jpg

『アカプルコの海』OST盤のクレジットでは、トランペットはAnthony TerranとRudolph Loeraとなっていますが、トニー・テランはハリウッドのスタジオのレギュラーです。オリー・ミッチェルといっしょにTJBの録音でトランペットをプレイしたこともあったでしょう。


☆ (There's) No Room to Rhumba in a Sports Car ☆


もう1曲もメキシコ美女とのシーンに登場する歌です。エルヴィス・プレスリーは、エルザ・カルデナスに誘われて彼女の車でドライヴに出かけるのですが、ちょっとキスしようとしたら、シフト・レヴァーに邪魔されてしまったりして、結局、うまくいきません。

theres no room to rhumba in a sports car


この(There's) No Room to Rhumba in a Sports Carはその場面で歌われるもので、歌詞もそのような状況を歌っています。「今夜こそはと思っていたけれど、ちょっとプランをまちがえたらしい、スポーツカーのなかじゃルンバを踊るわけにはいかない、ぜんぜん身動きとれないんだ、ちょっとキスをかすめ取ろうとしたら、スティアリング・ウィールに頭をぶつけちゃったぜ」といったような歌詞です。このあとに「こいつぁシャクだった!」をつけると、植木等になっちゃうのでご注意。でもまあ、そういう感じの歌です。映画だからこそ、状況に合わせて妙な歌詞が必要になったわけで、ふつうに盤をつくっていたら、こんな曲は出てこなかったでしょう。けっこう好きな曲です。

プロダクションは惜しいなと感じます。ほんの数テイクでオーケイを出してしまったのではないでしょうか。ハリウッドのプレイヤーは鍛え抜かれているので、それくらいのことはできるのですが、それでも、フィル・スペクターやブライアン・ウィルソンのように、なかなかオーケイを出さなかった人たちがすぐれた盤を残したのは、やはり、詰めが重要だということの証です。

(There's) No Room to Rhumba in a Sports Carは、あと数テイクかけて、左チャンネルのベース、ピアノと、右チャンネルのパーカッションのリズムをすり合わせていけば、もっとビシッと整った気持のよいグルーヴになったにちがいありません。

fun in acapulco drive

fun in acapulco drive

fun in acapulco drive

fun in acapulco drive

ベースは派手なことはなにもしませんが、タイムがきれいで、好みのプレイヤーです。これくらい精確だと、ハリウッドのスタジオでも名を成しそうなものですが、レイ・シーゲルという人は知りません。

ついでにいうと、ギター陣のひとりはバーニー・ケッセルです。なんだか、トミー・テデスコみたいなプレイもしていますが! (There's) No Room to Rhumba in a Sports Carのエレクトリックはケッセルのプレイでしょう。ケッセルがプレイしたコースターズのDown in Mexicoをちょっと思い起こさせます。


☆ スコア3 ☆


今回もスコアからサンプルをつくりました。まずは、上述の(There's) No Room to Rhumba in a Sports Carと同じドライヴのシーンのスコアです。



もう1トラックは、エルヴィスとアーシュラ・アンドレスがそれぞれのトラブルを話し合うシーンからのものです。



このトラックの尻尾に、つぎの曲の頭を残してありますが、その曲のほうは次回に聴くことにします。

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テーマ : 60年代の輪郭
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