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追悼 レス・ポール その4 ストンピン・アット・ザ・サヴォイ(Stompin' at the Savoy)

2009-08-27

曲名
ストンピン・アット・ザ・サヴォイ(Stompin' at the Savoy)
アーティスト
レス・ポール・トリオ(Les Paul Trio)
収録アルバム
『ジャズ・コレクターズ・エディション:レス・ポール』(The Jazz Collector Edition: Les Paul)
作曲者
アンディー・ラザフ、ベニー・グッドマン、チック・ウェブ、エドガー・サンプソン(Andy Razaf, Benny Goodman, Chick Webb, Edgar Sampson)
リリース年
1946年(?)
The Jazz Collector Edition: Les Paul


レス・ポールの追悼記事が終わらないうちに、ラリー・ネクテルの訃報が届き、その追悼はこちらに書くのはやめ、Songs for 4 Seasonsブログのほうに数日遅れでようやくアップし、やれやれと思ったら、こんどはエリー・グリニッジ死すの知らせが届き、ふう、とため息が出てしまいました。

この人もなにか書かないわけにはいかない重要人物なのですが、こちらに書くか、Songs for 4 Seasonsに書くかは未定です。たぶん、こちらになるでしょうが、ほとんどお客さんが来ない当家とはちがい、あちらはこちらの20倍ほどはいらっしゃるという利点があって、悩ましいところです。同じ人間が同じように書いているつもりなのに、やはりグーグルで上に来るところのほうがお客さんの数は圧倒的に多くなります。

もたもたしていると、まただれかの訃報が届きそうで恐ろしいので、今日から心を入れ替え、短い記事の連続でどんどん更新して、あと2回か3回でレス・ポールの話を終えようと思います。二度あることはすでに三度あったから、今月はもう大丈夫だろうと思うのですが、ときには極端な統計偏差もあるので、油断できません。

☆ 戦後のレス・ポール・トリオ ☆


わたしは、レス・ポールとはものすごく相性がいいので、嫌いな盤というのはありません。どれも好きです。10点から7点ぐらいのものばかりで、3点という感じのものはひとつしかありません。

本日は『The Jazz Collector Edition: Les Paul Trio』という編集盤です。アマゾンで調べたらもう廃盤らしくて中古のみ、それも安くないので、おやおや、です。

the new les paul trio

この盤は重要な時期のドキュメントになっています。自宅スタジオでの多重録音、「サウンド・オン・サウンド」の時代に入る直前に録音されているのです。つまり、ギミックなしで、レス・ポールの絶頂期のギタープレイを聴くにはこれしかないのです。

このあと、可変速カッティング・レイズによる「早回し」(じっさいには「遅回し」で録音するのだが)などで加工した早弾きと、現実の早弾きとの区別がむずかしいケースが生まれるようになる、ということもあるのですが、もうひとつ、これが彼のギタリストとしての絶頂期だということを忘れるわけにはいきません。このあと、交通事故による右腕の負傷があり、結局、100パーセントの回復はしないのです。

で、その絶頂期のプレイはどうか。これはもう「すごい!」の一言。なんたって、弦の太い時代ですからね。後年の速度の実質的に倍の速さがあるといっていいのじゃないでしょうか。レギュラーはそれくらい弾きにくく感じます。あんな太い弦で、どうやってこれだけの速度を確保できたのか、想像もつきません。近ごろのような蜘蛛の糸とまちがえそうな細い弦に換算したら、レス・ポールはだれも追いつけないほど速いのじゃないでしょうか。

les paul and console

いや、音楽とスプリント競技をいっしょにするような言辞はこのへんでやめておきましょう。100メートル走ではないのだから、速さだけで感銘を受けたりはしません。イディオムおよびフレージングの独創性と先進性、作り上げたサウンドの魅力、タイム、グルーヴ、こうしたものが総合されて、はじめて「いいプレイだ」と感じるのは、いうまでもありません。

音色についていうと、たとえば、チャーリー・クリスチャンやタル・ファーロウよりずっと好みに合います。軽く歪ませたサウンドで、こんな音をつくっていた人は、40年代にはレス・ポール以外にはいないのではないでしょうか。まだギブソン・レス・ポールは誕生していないので、この時期のギターは改造エピフォンか自作の「ザ・ログ」だろうと思います。

歪みというのは60年代中期以降のロックンロール・ギタリストの好みです。レス・ポールが40年代にそういうものの走りのようなサウンドをつくっていたということは、やはり彼が非ジャズ的感性の持ち主だったことの証明と感じます。

☆ ギミックに騙されるな ☆


どのトラックがいい、なんてことをいってみたいのですが、テンポの速い曲も、遅い曲も、どちらもけっこうで、なんともいいかねます。あとでサンプルをアップするかもしれないので、曲についてはSongs for 4 Seasonsブログのほうをご参照あれ。

つまるところ、ギター・プレイでの優劣はつけられず、バンド全体のグルーヴのよさで、看板はStompin' at the Savoyとしました。気持ちのいいトラックです。

この盤の最大の魅力というか、なるほどねえと感じ入るのは、ギミックなしでやっても、レス・ポールはきわめて特異なスタイルとサウンドをもっている、たとえ「素」でも、とうていノーマルには聞こえない、ということです。

彼のアブノーマリティーは、ディレイや可変速録音機材によるピッチの変調といったギミックではなく、もっともっとずっと深い、本質的なところに由来するのだということが、この盤からはっきりと読み取ることができます。表面的なことに惑わされてはいけない、裸の心と耳で音を聴き、素手で本質を掴み取れ、と御大に遺言されたような気分です。

あと2枚見て、レス・ポール・シリーズは完結といまのところは思っています。

The Jazz Collector Edition: Les Paul Trio
The Jazz Collector Edition: Les Paul - front

The Jazz Collector Edition: Les Paul Trio
Les Paul Trio
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売り上げランキング: 405327

01. Lazy River
02. Short Circuit
03. Wasted Tears
04. Melodic Meal
05. Swanee River
06. Hand Picked
07. Danger, Men at Work
08. Embraceable You
09. I Can't Believe That You're in Love with Me
10. Indeed I Do
11. (Back Home Again In) Indiana
12. Dance of the Kordies
13. Stardust
14. My Melancholy Baby
15. At Sundown
16. I Found a New Baby
17. Subterfuge
18. For You
19. Stompin' at the Savoy
20. Coquette
21. Honeysuckle Rose
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